シネファンクの懲りない面々、かく語る!
今年の選考委員メンバーは5名とちょい少なめ。顔ぶれはアンクル選考委員長を筆頭におなじみの面々。3回目ともなると余裕の雰囲気のなか、えびてつ事務局長の緻密に数値化された資料をもとに選考会の始まり〜。オブザーバーとして代表&事務局長それに取材の私カベヘン3号が加わり、さて今回の議論の迷走ぶりやいかに?!
まずは「大入り賞」、1位〜3位の3作品には、何と1000人以上のお客様がご来場!ありがたいことです。そして栄えある1位には、昭和30年代のノスタルジーが話題を呼んだ『ALWAYS 三丁目の夕日』が輝きました。
【アンクル】
僕は、もひとつノスタルジーを感じないな…、東京じゃないからか?東京タワーが出来ていくのを実際に見ている人には印象深いかもしれないが。お話は完全に松竹新喜劇風の人情話やねえ。
僕は、もひとつノスタルジーを感じないな…、東京じゃないからか?東京タワーが出来ていくのを実際に見ている人には印象深いかもしれないが。お話は完全に松竹新喜劇風の人情話やねえ。
【えびてつ】
あの子どもら、ホンマに昭和30年代から抜け出てきたような貧相な子どもやった。
あの子どもら、ホンマに昭和30年代から抜け出てきたような貧相な子どもやった。
【アンクル&代表】
(声をそろえて)いやあ、もっと汚かったで、洟垂らしてたし。
(声をそろえて)いやあ、もっと汚かったで、洟垂らしてたし。
次は「ロビー投票賞」について。1位〜3位とも下半期に上映された作品の中から選ばれました。
1位は得票数29票で『メゾン・ド・ヒミコ』と『パッチギ!』が同票獲得で両作品を1位にしました。犬童監督作品は第1回の『ジョゼと虎と魚たち』に続き人気高し。『パッチギ!』は、日本アカデミー賞こそ逃しましたが、2005年映画賞で多くの賞賛を得た作品。ここで注目されたのは、両作品に出演してるオダギリジョー!
【やっさん】
オレ、危ないこと言わせてもらえば『メゾン・ド・ヒミコ』のオダギリジョーには、抱かれでもいい!と思った。(一同、驚愕)ストーリーもおもしろかった、おかまの田中泯さんがいい味出してたな。いちおう主役の柴咲コウが表情が乏しく影が薄かったので、よけいオダギリに惹かれたのかも??『パッチギ!』のオダギリは笑えたし、彼は日本のジョニー・デップを狙ってるんじゃない?主演男優賞があれば、彼に決定!
オレ、危ないこと言わせてもらえば『メゾン・ド・ヒミコ』のオダギリジョーには、抱かれでもいい!と思った。(一同、驚愕)ストーリーもおもしろかった、おかまの田中泯さんがいい味出してたな。いちおう主役の柴咲コウが表情が乏しく影が薄かったので、よけいオダギリに惹かれたのかも??『パッチギ!』のオダギリは笑えたし、彼は日本のジョニー・デップを狙ってるんじゃない?主演男優賞があれば、彼に決定!
さて、本年の「シネファンク賞」は、票が分かれる結果となりました。傾斜配点が功を奏したか、3名のみが1位をつけた『亀も空を飛ぶ』がトップに。この作品は、観たかったけど見逃したというメンバーが多く、観た人には高く評価されているので、もっと多くの人たちに観てもらいたかったところ。2位の『エレニの旅』は、巨匠アンゲロプロスの大作にふさわしく、シネファンクのなかでも一番多くの人から好評を得ました。
【代表】
『亀も空を飛ぶ』は、圧倒的に絶望的な状況…、少女は死に、兄も去る、代わりに米軍が入ってくる。このような希望もなにもない状況の中でも、残った子供たちは、生きようとする強い意志を持つ。米軍や国連(大人)を出し抜いてでも生きようというたくましい意志を持つ。このことがわれわれ大人の大きな希望ともなる、それがこの映画の素晴らしさです。ただ単に「反戦」だとか「反米」だとかという単純な図式ではなく。
『亀も空を飛ぶ』は、圧倒的に絶望的な状況…、少女は死に、兄も去る、代わりに米軍が入ってくる。このような希望もなにもない状況の中でも、残った子供たちは、生きようとする強い意志を持つ。米軍や国連(大人)を出し抜いてでも生きようというたくましい意志を持つ。このことがわれわれ大人の大きな希望ともなる、それがこの映画の素晴らしさです。ただ単に「反戦」だとか「反米」だとかという単純な図式ではなく。
【事務局長】
戦争→悲惨→暗い・重い、という一般的なイメージを払拭するような映画。私は、いわゆる反戦とか、戦争が悪いんだという情報満載の映画は苦手ですが、『亀も空を飛ぶ』は、生きていることの希望と重さ、そしてそれを受け止め続けることが人はちゃんとできるんだよという健全なメッセージにあふれていました。
映画に登場する子供たちは、ごく普通(ここがポイント、スーパーヒロインやヒーローではなく)に明るく、たくましい!生きているから辛いこともしんどいこともあるけど、やはり生活しなきゃという感じがいいです。そして生活感に裏づけられたユーモアと希望がありましたよ。
戦争→悲惨→暗い・重い、という一般的なイメージを払拭するような映画。私は、いわゆる反戦とか、戦争が悪いんだという情報満載の映画は苦手ですが、『亀も空を飛ぶ』は、生きていることの希望と重さ、そしてそれを受け止め続けることが人はちゃんとできるんだよという健全なメッセージにあふれていました。
映画に登場する子供たちは、ごく普通(ここがポイント、スーパーヒロインやヒーローではなく)に明るく、たくましい!生きているから辛いこともしんどいこともあるけど、やはり生活しなきゃという感じがいいです。そして生活感に裏づけられたユーモアと希望がありましたよ。
そして、「コミュニティシネマ大賞」。「シネファンク賞」を除き、各賞で日本映画の強さが目立っていましたが、それぞれ2位・3位につけていた『ホテル・ルワンダ』が総合点でトップに輝きました。今年は「大入り賞」「ロビー投票賞」と「シネファンク賞」の結果が全然違ったので、少々賛辞も控えめなようで…。
【アンクル】
『ホテル・ルワンダ』は、緊張感あふれるストーリーで、緊迫感のある演技で良かったけど、どうも予定調和の世界で、最後がわかってしまう、というか…。
『ホテル・ルワンダ』は、緊張感あふれるストーリーで、緊迫感のある演技で良かったけど、どうも予定調和の世界で、最後がわかってしまう、というか…。
【えびてつ】
あの作品は、映画自体よりも、若い人が中心になってネットで署名を集めて上映にこぎつけたという、上映されるに至った過程の方が話題になってたのでは。
あの作品は、映画自体よりも、若い人が中心になってネットで署名を集めて上映にこぎつけたという、上映されるに至った過程の方が話題になってたのでは。
さて、いよいよお待ちかねの「選考委員特別賞」の議論に入ります。ここ一番が腕の見せどころ&腹のさぐり合い。まずは、賞の主旨のおさらいを。コミュニティシネマたるシネマホールにふさわしく、衆目は浴びずとも優れた作品に光を当てる、いろいろな世代がみんなで楽しめる、そんな作品を選び出す…。
まずは若者組が、一押し作品を語りはじめます。
【えびてつ】
僕は『Turn over・天使は自転車に乗って』をあげたい。しかもこのタイトルは、当シネマホールでの上映を最後に『二人日和』と変更されたので、あえて前のタイトルで。京都に暮らす初老の夫婦を描いたこの作品は、これからますます増えていくであろう同じ年代の人たちに、ぜひ夫婦ふたりで映画館へ出かけてもらって観ていただきたい作品であり、今まで映画がアピールしてこなかった世代に受け入れられる映画である、という点を評価したい。
僕は『Turn over・天使は自転車に乗って』をあげたい。しかもこのタイトルは、当シネマホールでの上映を最後に『二人日和』と変更されたので、あえて前のタイトルで。京都に暮らす初老の夫婦を描いたこの作品は、これからますます増えていくであろう同じ年代の人たちに、ぜひ夫婦ふたりで映画館へ出かけてもらって観ていただきたい作品であり、今まで映画がアピールしてこなかった世代に受け入れられる映画である、という点を評価したい。
【biwacine】
僕はみんなを説得する自信があります!昨日からずっと考えてたんだけど、みんなが楽しめてコミュニティが感じられる映画となれば、『こころの湯』でしょう!これは滋賀会館近隣のお風呂屋さんとタイアップした街とつながる企画だったし、それにお風呂屋さんが地域の再開発の犠牲になってしまうし、人々が集まるコミュニティのかけがえのない大切さを暖かく描いた作品ってことで、お風呂屋さんと映画館を重ね合わせて、ゼッタイこれに決まりです!実は『火火』と迷ったんやけど…。
僕はみんなを説得する自信があります!昨日からずっと考えてたんだけど、みんなが楽しめてコミュニティが感じられる映画となれば、『こころの湯』でしょう!これは滋賀会館近隣のお風呂屋さんとタイアップした街とつながる企画だったし、それにお風呂屋さんが地域の再開発の犠牲になってしまうし、人々が集まるコミュニティのかけがえのない大切さを暖かく描いた作品ってことで、お風呂屋さんと映画館を重ね合わせて、ゼッタイこれに決まりです!実は『火火』と迷ったんやけど…。
【さおりぃ】
『火火』いいじゃないですか!私は『火火』を推します。以前代表が神山さんにインタビューもさせていただき、シネマホールにもゆかりの深いこの作品、神山さんの生き方が、私の知人の書道をやっているおばさんで家の事情をやり繰りしながら自分のやりたいことを貫いている姿に重なるものがあって、そんな姿勢に心打たれました。それって県民性とかも関係あるのかな?とてもテーマの重い映画なんだけど、神山さんの生き方の描写はすごく迫力がありました!
続いておじさん組。アンクルは『歓びを歌にのせて』と『運命じゃない人』をあげるも、「小品ながらおもしろかった」という理由にえびてつにダメだしを食らう始末。
『火火』いいじゃないですか!私は『火火』を推します。以前代表が神山さんにインタビューもさせていただき、シネマホールにもゆかりの深いこの作品、神山さんの生き方が、私の知人の書道をやっているおばさんで家の事情をやり繰りしながら自分のやりたいことを貫いている姿に重なるものがあって、そんな姿勢に心打たれました。それって県民性とかも関係あるのかな?とてもテーマの重い映画なんだけど、神山さんの生き方の描写はすごく迫力がありました!
【やっさん】
いやあ、僕は今年は田中裕子がすごく良かったので、『いつか読書する日』にしようかとも思ったんやけど…。
あれはある程度年齢を重ねないと楽しめへんかな。『火火』は、前半部分、田中裕子の演技が光って重いテーマを見事にエンタテイメントに仕上げていたところが良かったと思う。主演女優賞があれば、絶対、田中裕子!
いやあ、僕は今年は田中裕子がすごく良かったので、『いつか読書する日』にしようかとも思ったんやけど…。
あれはある程度年齢を重ねないと楽しめへんかな。『火火』は、前半部分、田中裕子の演技が光って重いテーマを見事にエンタテイメントに仕上げていたところが良かったと思う。主演女優賞があれば、絶対、田中裕子!
【えびてつ】
僕は実は単なるご当地映画のつもりで観に行ったけど、すごくしっかりした作品でびっくりした。あの頃、白血病を題材にした映画がけっこうあったけど、この作品では、白血病の闘病や移植の現場が生々しく描かれていた。田中裕子は自分のおかんと同じしゃべり方してるし。
『こころの湯』は、意義としては充分なものがあるが、企画上映だったため「ずいぶん前にやった映画」という印象がまぬがれないという意見もあり、田中裕子さんの高い評価もあって流れは『火火』へ。
僕は実は単なるご当地映画のつもりで観に行ったけど、すごくしっかりした作品でびっくりした。あの頃、白血病を題材にした映画がけっこうあったけど、この作品では、白血病の闘病や移植の現場が生々しく描かれていた。田中裕子は自分のおかんと同じしゃべり方してるし。
滋賀県が舞台で滋賀会館や県庁もロケ地になってたということもさることながら、陶芸家・神山清子さんの激しい生きざまと女優・田中裕子の迫真の演技に選考委員一同心から敬意を表し、今年の「審査委員特別賞」は『火火』に贈らせていただくこととなりました。実はこの作品、えびてつ&アンクルがエキストラで参加もしました(アンクルのシーンはカットだったらしい)。代表によると、神山さん、その後田中裕子さんのファンになって、シネマホールに『いつか読書する日』を観に来てくださったとか。
以上、すべての審査を終え、委員長より総評を。
【アンクル】
総評?…まあ、順当かな。(一同コケる)
総評?…まあ、順当かな。(一同コケる)
というわけで、今年も日本映画が強かった!なかでも、けっこう社会的に重いテーマ、ちょっと普通じゃない状況を描きながら、暗くならず美化するでもなく、むしろユーモラスに軽やかに描いていく傾向の作品が増えているような気がします。社会のタブーに対する垣根が低くなってきて、昔なら教育的映画になったところをエンタテイメントとして仕立てることが出来るようになったってことでしょうか。
ともあれ、素敵な作品の数々に出会うことのできたシネマホールという場に感謝!そしてまた来年に向けていっぱい映画を観ましょう。皆さん、お疲れ様でした!(さあ、ビール、ビール)
取材・文:カベヘン3号(元カミヘン)
第3回コミュニティシネマ大賞選考委員メンバー
アンクル(選考委員長)
◆一番大切な人に見せたい映画は?:「花様年華」
◆見せたくない映画は?:「花様年華」(見せたい、見せたくない、奥深いでしょ?)
◆3年目の選考を終えて一言!:選考はなかなかに大変です。終わった後のビールだけが唯一の楽しみ。
◆見せたくない映画は?:「花様年華」(見せたい、見せたくない、奥深いでしょ?)
◆3年目の選考を終えて一言!:選考はなかなかに大変です。終わった後のビールだけが唯一の楽しみ。
やっさん
◆一番大切な人に見せたい映画は?:息子達にということで「マルチュク青春通り」熱い青春を送れ!
◆見せたくない映画は?:基本的に見せたくない映画はない。どんな映画でも見て、何かを感じて欲しい。が、あえてあげるなら「エレファント」この青春は、悲しすぎる。
◆3年目の選考を終えて一言!:シネマホールに足を運んで下さっている皆様と、もっと広く映画について語り合える場があったらなあ。
◆見せたくない映画は?:基本的に見せたくない映画はない。どんな映画でも見て、何かを感じて欲しい。が、あえてあげるなら「エレファント」この青春は、悲しすぎる。
◆3年目の選考を終えて一言!:シネマホールに足を運んで下さっている皆様と、もっと広く映画について語り合える場があったらなあ。
さおりぃ
◆一番大切な人に見せたい映画は?:「バグダッド・カフェ」
◆見せたくない映画は?:他の人に見せたくないような映画は自分も観ないと思います。
◆3年目の選考を終えて一言!:今年もおいしいビールをいただくことができました♪
◆見せたくない映画は?:他の人に見せたくないような映画は自分も観ないと思います。
◆3年目の選考を終えて一言!:今年もおいしいビールをいただくことができました♪
biwacine
◆一番大切な人に見せたい映画は?:「街角 桃色の店」
◆見せたくない映画は?:「めまい」
◆3年目の選考を終えて一言!:この3年の傾向をみると、来年は一つの作品が独占するのかな!?
◆見せたくない映画は?:「めまい」
◆3年目の選考を終えて一言!:この3年の傾向をみると、来年は一つの作品が独占するのかな!?
えびてつ
◆一番大切な人に見せたい映画は?:「ライフ・イズ・ビューティフル」
◆見せたくない映画は?:ローランド・エメリッヒ作品
◆3年目の選考を終えて一言!:邦画の秀作が年々増えてるのが嬉しいかぎり。でも、中華圏の作品ももっと元気だしてよー!
◆見せたくない映画は?:ローランド・エメリッヒ作品
◆3年目の選考を終えて一言!:邦画の秀作が年々増えてるのが嬉しいかぎり。でも、中華圏の作品ももっと元気だしてよー!

『ALWAYS 三丁目の夕日』は、シネマホールで上映されたタイミングが良かった。日本アカデミー賞で各賞総ナメした直後だったので、その前にシネコンで上映されていたときより、注目度も高かったんじゃないか。完全にSFの手法で未来じゃなく過去を再現してて、僕らの年代ではノスタルジーを感じることはないけど、まわりのおじさんたちは、「すごくなつかしい」と「あんなんじゃなかった」と感想が二分していた。