実録!熱き選考委員会の夜

 7月23日梅雨明けの大津市内某所にて、第2回コミュニティシネマ大賞の選考会が行われ、第2回コミュニティシネマ大賞が決まりました。
 今年の選考対象となった上映作品は、小粒ながらも良質な作品に恵まれたものの、それ故に票が分かれてしまい、各賞の上位には、特に話題を集めた作品が集中して顔を揃える、といった結果 になりました。しかし、今回受賞した作品を見てみますと、シネマホールならではの上映作品がしっかりと存在感をあらわしていて、シネマホールの持つ魅力が ここにぎゅっと凝縮されているかのようです。
 グランプリの「誰も知らない」は、公開当初は、県内のシネコンで上映されていましたが、公開終了後もその人気は衰えず、つづいて、シネマホールでも上映さ れることとなりました。一般的には、上映期間が終了すると、劇場で作品を観る機会が減ってしまいますが、シネマホールは、名作を後世につなぐ「二番館」「 名画座」としての役割も担っています。 今回のグランプリ受賞は、封切り当初に観逃した方、一度観たけどもう一回、映画館で!という方、様々な方のご期待 にお応えできた結果ではないかと思います。

 選考会では作品について

「モチーフとなっている事件のことを、もっと詳しくもっと悲惨に描こうとすれば、いくらでも描けたのに、 敢えてそれをせず、突き放した感じに仕上がっている点がいい。」
「もっとドロドロしていたら、こんなにヒットしていなかったのでは。」
「逆に、綺麗に仕上がりすぎている。子どもたちは、もっと感情的になったりしているはず。」
「でも、主人公は母親にも気を使ってるんだよね。」
「たまに帰ってくる母親に見せる、笑顔にほっとする。」
「ほんま、この母親なんちゅう親やねん。」
「いや、母親だけじゃなくて、そもそも父親は。隣の人は。周りはいったい何してるねん。」
「その意味では、社会の病床を映している。」
などの意見が出ました。

 また、観客賞の「真珠の耳飾りの少女」各賞上位に選ばれた「モーターサイクル・ダイアリーズ」「殺人の追憶」は、いわゆる「ミニ・シアター系」と称されるジャンル にあたるわけですが、シネコンでは上映機会の少ない作品たちも、シネマホールにとっては大切な存在です。ハリウッドのみならず、世界中各国から集まる映画 たちは、私たちにとって、その国の文化に触れるきっかけとなる格好の道しるべだと思います。

「真珠の耳飾りの少女」
ちょうど公開時期に、神戸でフェルメールの絵画展覧会が開催されていたことから、映画好きのみならず、多くの人から注目を集めた作品。
「観客はほとんど中年のおば様ばっかりやったんちゃうか?」
「この時期にやってたフェルメールの展覧会の客層と一緒やな」
「私こういうおじ様と少女的なシチュエーションものに弱いんですよ・・・」
「シネファンクにはおじさんいっぱいやけど?」
「おじさんの種類にもよるわな」
「この三角関係のねっとりした感じがなんとも・・・」
「奥さんの嫉妬が怖い」
「三角関係ならぬ四角関係の知り合いがいて・・・このポッキーとマリー(クッキー)が夫婦でサクサクサラダとチョコレートも夫婦やねんけどな、マリーとチョコレートは友達同士で、マリーとサクサクサラダが関係をもってやな・・・」
「で、この映画とどういう関係があんの?」
「いや、女性同士の友情は壊れてな、女の友情って・・・」
「だから、なに??」
「モーターサイクル・ダイアリーズ」
革命家になる前の若き日のチェ・ゲバラを題材にした作品。
「ゲバラを全面に出していないところがすごい。」
「夢があって好感が持てる。」
「ガエルくん、男前。」
「シネマホールにあったポスター見た?」
「あのギリギリの?」
「某受付嬢がお買い上げらしいよ」
「天井に貼るんやろか」
ということで、シネファンク内若手の票を最も集めました。
しかし、一方では、
「ゲバラの話なのか、ロードムーヴィーなのか、医者の卵の話なのか、ハンセン病の話なのか、結局何なの。」
「その、美味しいとこてんこ盛りな感じが難やな。」
「ちょっと綺麗にまとまりすぎやな。」
という、現実的な意見もあり選考委員の中で30歳をボーダーラインにして、評価が分かれました。
「殺人の追憶」
韓国を舞台にした、サイコスリラー・サスペンス。スクリーンを通して犯人の息づかいが感じられる巧妙な描き方に、シネファンクメンバーの中では特に中年層に人気を集めました。
「サスペンスはよくあるけれども、韓国特有の、今の日本では描けない懐かしさがあった」
「シリアスさと、要所要所で笑わせる‘くすぐり’のバランスが絶妙。」
「笑わせながら、ぞくぞくっとする感じを作り出しているのがすごい。」
「最後まで目が離せません。」
「犯人の目線であるカメラが獲物となる被害者を探していて、おばちゃんから若い娘に振れるところに真実味があった。そりゃおばちゃんより若い娘やわって」
「バーシャ!踊る夕陽のビッグボス」
その国の文化に触れるという意味において、今回とても顕著な存在だったのが、特別賞の「バーシャ!踊る夕陽のビッグボス」です。この作品は、イベントで1回限りの 上映だったにもかかわらず、噂を聞きつけたこの映画の主役ラジニカーントのファンがシネマホールに集結。一種独特の楽しみ方で映画を鑑賞される姿に圧倒されましたが、同時に、 インド文化の一端に触れることができ、かつ、映画館で映画を観ることの楽しさを教えてくれました。
「今の映画は小難しいものが多い。その中でこの作品はわかりやすくて、みんなでわいわいと楽しめる。それがとても新鮮。」
(上映時にはかなり衝撃的だったラジニカーント・ファンによる盛り上がり方(マサラシステム)を受けて)映画にはこうゆう楽しみ方もあるんだってことを再確認した。」
「(130人というシネマホールでは異例の動員記録を受けて)これほどのお客さんを呼ぶ、映画の力ってすごい。」
「あのテーマソングが頭から離れなくなった」
「知らず知らずのうちに「バーシャ!」とこぶしを突き上げていた」
などとバーシャ熱感染者が続出しました。

 さて、今回受賞作品として紹介されている映画の数は上位3位までと限られていますが、選考過程では、実に様々な作品の名前が挙がってきて、映画という文化の 懐の深さを改めて実感しました。昨年度のシネマホールでの上映本数は、98本。
 ノミネート作品の中には、残念ながら見逃してしまった作品もあるわけで、そういった作品が受賞すると、惜しいことをしたという気持ちになってしまいます。 しかし、これからもシネマホールでは、今まで以上にたくさんの素敵な作品があなたを待っています。心に留まった映画は、来年のコミュニティシネマ大賞のた めにも、ぜひ今から控えておいて下さいね。

ライター/さおりぃ&カベヘン




第2回コミュニティシネマ大賞選考委員メンバー
アンクル(選考委員長)
◆無人島に持って行きたい作品:「ロビンソン・クルーソー」リアルすぎるかな?
◆出演したい作品・演じたい役:そりゃあもう、「冬のソナタ」のヨン様サ!さぶっ!!
◆選考にかける意気込み:早く終わってビール飲みましょ。
やっさん
◆無人島に持って行きたい作品:「フィッツカラルド」周りは海ばっかり?いっそ山の中で船に乗る。
◆出演したい作品・演じたい役:「七人の侍」の宮口精二役(久蔵)。剣を極めんとしている私(?)としては、これ以外にないでしょう。・・・あっ、女優との絡みがない!?
◆選考にかける意気込み:おいしい料理をふるまう。
さおりぃ
◆無人島に持って行きたい作品:「リアリズムの宿」。これを観れば、どんな状況になっても、なんとかやっていけそうな気がします。
◆出演したい作品・演じたい役:「アメリ」の主人公アメリ。私も、アメリみたいに、あり得へんような、いたずらをしてみたいです。
◆選考にかける意気込み:初参加で、わくわくドキドキ♪
よおこ
◆無人島に持って行きたい作品:「わらびのこう」。先人の知恵を真似て生き抜こうと思います。
◆出演したい作品・演じたい役:「バーバー吉野」の吉野のおばちゃん。不器用な私でもできそうな(ごまかせそうな)吉野ガリを皆に施してみたい。
◆選考にかける意気込み:がんばります。
biwacine
◆無人島に持って行きたい作品:う〜ん、持って行かない。映写機とスクリーンさえあれば充分です。
◆出演したい作品・演じたい役:「はなればなれに」のアルチュール。マディソン・ダンスを踊って、ルーヴル美術館を駆け巡り、あんな最期を演じたい、、、かな。
◆選考にかける意気込み:今年は気合い入れすぎないよう落ち着こう。
えびてつ
◆無人島に持って行きたい作品:「パイレーツ・オブ・カリビアン」。脱出方法が分かるぞ。
  ◆出演したい作品・演じたい役:「欲望の翼」の張学友。モテなくても良い、張國榮の親友になりたい。
◆選考にかける意気込み:今年もげんなりしましょう。
カベヘン
◆無人島に持って行きたい作品:「戦争と平和」(セルゲイ・ボンダルチェク版)とにかく長い!DVDは5枚組み、字幕は日/ 英/ 独/ 仏/ 葡/ 伊/ 蘭/ ヘブライ語他、全ての言語を習得する気で観る。
◆出演したい作品・演じたい役:「デュラス愛の最終章」のマルグリット・デュラス。若い男に死水とってもらうんだ〜。
◆選考にかける意気込み:作品はあんまり観てないので発言権はないが、中性オヤジのお下げフェチは粉砕予定。



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