第2回コミュニティシネマ大賞  7月23日梅雨明けの大津市内某所にて、第2回コミュニティシネマ大賞の選考会が行われました。 選考委員は昨年の第1回に引き続き、アンクル選考委員長を筆頭に、やっさん、えびてつ事務局長、カベヘン、CHET!。 そして、新顔のさおりぃ、遅れてようこが加わり、合計7名が集まりました。

 大賞を決める前に、まずは各賞の決定から。シネマホールでの観客動員数から決定される、観客賞。事前にシネマホール・ロビーにて行われた人気投票によって決定される、ロビー賞。 そして、シネファンクメンバーの投票によって決定される、シネファンク賞。この3部門は事前のデータを集計した形で、選考会にて審議にかけられました。

 今回の選考で特筆すべき点は、観客賞にて、一部重要な決定事項が設けられたこと。2004年度、シネマホールではシネファンクおよびRCS主催のイベントがいくつか行われました。 どれも1日限りの特別上映という、特殊なものであるため、観客数に大きな差が出ました。このことを加味して、シネファンクおよびRCSが主催したイベントで上映された作品は、 観客賞では除外することが決定されました。その結果を踏まえて決まった各賞は以下のとおり。

第2回コミュニティシネマ大賞各賞受賞作
誰も知らない コミュニティシネマ大賞ロゴ
コミュニティシネマ大賞
「誰も知らない」
2004年/日本/141分
監督・プロデューサー・脚本・編集:是枝裕和
音楽:ゴンチチ
出演:柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU
【ストーリー】明、京子、茂、ゆきは、母と一緒にとあるアパートで暮しているが表向きは母と明の二人暮らしになっている。 子どもたちはみんな父親が違い、学校にも行っていないがそれでもみんなで暮らせるから幸せだった。ところが母が子どもたちをおいて出て行ったために、 兄弟四人での生活を余儀なくされる。昨年のカンヌ国際映画祭で大絶賛され、柳楽優弥が明役で史上最年少で男優賞を受賞した。
【講評】日本映画もまだまだ捨てたものではない。ロビー賞では、唯一トップ10に入った(しかも1位だった)、日本映画。 宣伝のポスターの中の子どもたちは一見するととても綺麗なイメージなのに、実際に作品を観てみると、汗臭くて、周囲の環境からは疎外されていて、 同級生からもうっとうしがられて、観ているのが我慢できなくなるくらい。特に子どもを持つ親の世代にはその様子が衝撃的だったようで最後までずっと 強いられるこの緊張感が、観るものに強い印象を与えた。また観る者の立場や視点によって捉え方が大きく違っていたにも拘らず、どの世代にも観たあとに何か残る、 訴えかけるものが大きい作品。今回は各賞で、ロビー賞、シネファンク賞の上位3位が全く重なっており、この結果をうけて大賞の審議をし、 今年のグランプリは見事二冠を達成した「誰も知らない」に決定されました。

ロビー賞上位作品は以下の通り。
(ロビー賞:観客投票数から決定)
  1. 「誰も知らない」
  2. 「モーターサイクル・ダイアリーズ」2003年/英・米/監督:ウォルター・サレス
  3. 「殺人の追憶」2003年/韓国/監督:ポン・ジュノ
「誰も知らない」が一票差で、2位「モーターサイクル・ダイアリーズ」を振り切り、見事ロビー賞に輝く。


そして、シネファンク賞上位作品は以下の通り。
(シネファンクメンバーによる投票から決定)
  1. 「誰も知らない」
  2. 「モーターサイクル・ダイアリーズ」2003年/英・米/監督:ウォルター・サレス
  3. 「殺人の追憶」2003年/韓国/監督:ポン・ジュノ
真珠の耳飾りの少女 ロゴ
観客賞
「真珠の耳飾りの少女」
2003年/英/100分
監督:ピーター・ウェーバー/脚本:オリヴィア・ヘトリード/音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィ
【ストーリー】1665年、オランダ。グリートは画家フェルメールが暮らす家の使用人として働いている。使用人でありながら彼女の持つ鋭敏な芸術的感性や色彩感覚が主人である フェルメールの目に留まり、彼女は、あの「青いターバンの少女」のモデルとなるのだが・・・。
一枚の絵から生まれた架空のエピソードが、人間関係や時代考証、状況設定を細かく折り重ねることで、ミステリアスな空気をはらんだ「物語」に仕上がっている。
【講評】ちょうど公開時期に、神戸でフェルメールの絵画展覧会が開催されていたことから、映画好きのみならず、多くの人から注目を集めた作品。 有名な「青いターバンの少女」の絵に潜む謎を題材にしつつ、様々な人間関係が描かれていたり、当時の生活などが丁寧に再現されていたりと内容的にも充実していて、 フェルメールの絵が好きな人にも納得がいき、かつ、映画としての完成度も高い。スカーレット・ヨハンソン演じる若きモデルと中年の画家そして、嫉妬に苦しむ画家婦人 の 三角関係が幅広い世代、性別にとって感情移入しやすい設定となっていたのも勝因か。

観客賞上位作品は以下の通り。
(観客賞:観客総動員数と各回観客平均数から上位を決定)
  1. 「真珠の耳飾りの少女」
  2. 「それいけ!アンパンマン 夢猫の国のニャニイ」2004年/日本/監督:矢野博之
  3. 「純愛中毒」2002年/韓国/監督:パク・ヨンフン


2位は昨年同様、今年もアンパンマンが獲得。アンパンマン強し!この記録は来年もつづくのか!? 3位は韓流の波に乗ったビョンさまの「純愛中毒」が、1回平均の動員数をのばしてランクイン。
バーシャ! 踊る夕陽のビッグボス ロゴ
選考委員特別賞
「バーシャ! 踊る夕陽のビッグボス」
1994年/インド/152分
監督:スレーシュ・クリシュナ/脚本:スレーシュ・クリシュナ、バーラクマーラン/ 音楽/デーヴァー
出演:ラジニカーント、ナグマ、ラグヴァラン、ジャナカラージュ
【ストーリー】「ムトゥ踊るマハラジャ」のラジニカーントが七変化で歌い踊る、抱腹絶笑のマサラ・ムービー。 スーパースターラジニカーントが演じる主人公のマニカムは、3輪タクシー(リクシャー)の運転手をしながら母親と弟妹の面倒を見る心優しい男。 かつては裏社会で"バーシャ"と呼ばれ恐れられていたが、死に際の父の言葉にしたがい今はその過去と決別していた。そんなある日、 彼は車の故障で困っていたお嬢様プリアをリクシャーに乗せるのだが、互いに一目惚れ、たちまち2人は恋に落ちる。ところが、 プリアの父こそ"バーシャ"と呼ばれていた頃のマニカムと因縁のある男だった…。
【講評】ストーリー展開は単純明快な勧善懲悪もので、誰もが楽しめ、本場インドでの映画の楽しみ方を髣髴とさせるテーマソングに合わせての手拍子、 「バーシャ!」コールなど観客席が一体となって映画に入り込む熱気に映画のもつ力を再認識させられた作品。シネマホールではシネマホール10周年企画 「シネマ・エイド」での1回きりの上映にもかかわらず、かつてない動員と映画の鑑賞法にはインパクトがあり、選考委員の満場一致をうけて本年度の特別賞に決定した。

選考委員特別賞とは
 選考委員特別賞は、コミュニティシネマたる滋賀会館シネマホールにふさわしい、日の目を見ていない作品に光をあてる、多くの人に映画というもののすばらしさを伝えられる などの観点から、対象作品のうち特に受賞に値する作品について、選考委員7名(シネファンクメンバー)による喧喧諤諤の議論の結果決定される賞です。


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